循環経済新聞に弊社の取り組みが掲載されました。

全原料化の実現目指す

廃タイヤ受入の強化を検討

受入先に依存しない体制へ

NKリサイクル

小橋克史社長

廃タイヤの再資源化を手掛けるNKリサイクル(東京都瑞穂町、小橋克史社長、☎042-557-7558)は、廃タイヤの受入や原燃料化設備の強化を検討している。主に製紙工場向けの燃料を供給しつつ、1000社以上の取引業者との関係性を重視する一方で、他社とは異なる方向性の展開を狙う。燃料としてのタイヤチップや廃タイヤを原料にした再生ゴムボラード(車止め)「グライド」の販路拡大を経て、受入量の全てをマテリアルリサイクルできるような将来的なビジョンを描いている。

「グライド」は日本大学芸術学部と共同開発をしたもので、特許取得済み。顧客のニーズに応じた着色により景観対応が可能で、再生ゴムを用いた円筒部が中空状になっていることで変形・衝撃吸収をし、車両の接触時に円筒部が回転するため損傷を軽減できる。廃タイヤを細かく破砕して生成したゴムチップを独自の技法で溶融固化し、性状を安定化している特徴がある。

同社では普段から天然・再生ゴムを取り扱う専門業者に原料を教習して製品を製造していることもあり、瑞穂町が実際に「グライド」を設置しているなど、品質と実用性が評価されている。マテリアルリサイクルの足掛けとしてさらなる普及を目指し、建材店や工事施工業者への拡充や需要増に期待している。

同社の工場では1月あたり約1,000トンの廃タイヤを処理し、製紙工場向けのタイヤチップを製造している。乗用車タイヤの破砕ラインには米・バークレー社製の破砕機を2台備えており、安定して燃料供給を行ってきた。現在は採算性が取れる段階での破砕機の増設を第一の目標に定め廃タイヤの適正処理を続けている。小橋社長は、「廃タイヤの再資源化は業界全体で見ると、製紙工場向けの燃料利用が多い。仮にそのルートが縮小した場合には、廃タイヤ処理に影響がでる。自社で発電所を構えるなどの燃料利用先を確保するか、マテリアル利用の用途を探るかは各業者の裁量次第だが、廃タイヤの処理自体は確保しなくてはならない。私どもは廃棄物処理業者として、未来や危機を見据えた事業の確立と、本当の意味で環境に配慮したリサイクルの達成を優先して考えるべきだ。」と述べている。