一次・二次破砕機を更新
タイヤチップ製造ラインを再整備
NKリサイクル(東京都瑞穂町、小橋克史社長)はこのたび、PCタイヤを処理する一次破砕機と二次破砕機の更新工事を行った。それに合わせて、選別設備のスクリーン周辺の老朽箇所を整備し、タイヤチップ製造ラインのブラッシュアップを実施。海路の停滞やウクライナ情勢などの影響で設備の完工が予定よりも遅れたが、稼働後の処理は順調ですでに本稼働を開始している。
更新した破砕機はどちらもアメリカに拠点を構えるバークレーロトシュレッド社製のもの。長年稼働してきた破砕機を新しいタイプに置き換えたかたちだ。更新後も従来通りに、廃PCタイヤを一次破砕機で粗破砕し、二次破砕機で2インチサイズにしてからふるい分けて製品化する。工場の処理能力は更新前と変更なく、1日あたり128トンとなる。月間平均1000トンの廃タイヤを再資源化してタイヤチップを製紙工場等に販売する。
破砕機の基本的な性能に大きな変化はないが、設備のマイナーチェンジによる改良点がある。特に一次破砕機ではロータリースクレーパーが導入され、破砕機の隙間に挟まったゴム成分を手作業で取り除く手間が省けるようになった。工場としての生産性を上げながら従業員の負担も軽減した。
今回の設備更新は、今後に続く段階的な事業改革の第一弾として位置付けている。今後は埼玉県入間市にある収運営業基地のさらなる有効利用や、廃タイヤの運搬ラインの自動化による間接的な処理能力の強化、老朽化が進んでいるTBタイヤの切断機の入れ替えなども検討し、時勢に合わせた処理事業を継続していく方針だ。
小橋社長は「工場のスペースを有効に利用するためにレイアウト変更をしたり、高まり続ける処理需要に対応するために処理ラインを増強したりするアイデアは、破砕工場をさらに機能化するために、常に検討している。廃タイヤの排出が突然止まることはなく、昨今の社会情勢を鑑みても既存のボイラーが稼働する限りは需要があるため、安定した廃タイヤの処理とタイヤチップの供給を図りたい。」と述べている。